女性はライフステージの変化や年齢によって「働き方を選択する」「働き方を変更する」ということがあります。介護職の働き方は「正社員」「パート」「介護派遣」の3つがあり、私は3つの働き方を経験しました。それぞれの仕事内容の違いや、収入、残業、自分に合った働き方はどれか?ということをまとめてみました。また、それぞれの働き方に向いている人、向いていない人も解説しておりますので参考になれば幸いです。
介護職の正社員(正職員)ってこんな感じ
介護職では正社員ではなく「正職(員)」とか「常勤」というところも多いですよね。今回の記事では正社員としますね。
正社員のお給料は「基本給」+「手当」で年に数回賞与があります。施設の種類にもよりますが残業があるところが多く、その中でもサービス残業があるところも少なくありません。また、会議や勉強会などにも出席しなければなりません。記録など事務仕事も結構多いです。
正社員で働いていた時はストレスも多かったな・・・でも、あの時の経験が今は役に立ってると思えます!
やりがいがある
やりがいがあるのは間違いなく正社員です。介護スタッフの中心となって入居者さんへ介護サービスを行います。会議も定期的に行われ、入居者さんひとりひとりの対応の仕方などを検討したりします。(パートも会議に参加する施設もあります)パートや介護派遣も介護サービスを行いますが、何かあれば正社員に意見を伺います。
パートや介護派遣、新人さんに適切に指導できるよう、自身の介護技術や知識を深める事も大事で、持ち場で事故などが起こらないようにしっかりと責任を持って仕事をする心構えも必要です。
リーダーや介護主任などになると更に仕事も増えます!
夜勤手当でやっと人並みの給料!?
夜勤がある介護施設では「正社員は夜勤をするのが当たり前」となっています。例外などもあるのかもしれませんが、通所介護や訪問介護以外は正社員になれば夜勤は必須と思っておいた方がいいと思います。介護職の正社員は基本給だけではとても満足できる収入は得られません。働いている地域によってもかなり異なると思うのですが、私の住んでいる所は地方なので時給に換算すると辞めたくなるレベルです。
残業代、資格手当、月5~6回の夜勤手当などを含めてやっと人並みのお給料でした。
20代~40代介護職でこれから頑張っていきたい!という方におすすめ
20代~40代で夜勤ができるなら正社員として働くことがおすすめです(施設選びは慎重に)。収入面だけではなく、後々違う施設に転職する時や管理職などへのキャリアアップを考えると”正社員”として働いてきたということが役に立ちます。
介護派遣の面接でも過去の働き方を聞かれました。正社員で働いていた経験があるので派遣先でも正社員の方の気持ちもわかります。
介護職の正社員、向いてる?向いてない?
介護職の正職員という働き方が向いている人、向いていない人をまとめてみました。
介護職の正社員が向いている人
- 自分から提案したり、リーダー的な役割ができる人。
- パートや介護派遣よりも仕事を率先して行える人。
- 責任感がある人。
- 将来的にキャリアアップしたいと思っている人。
介護職の正社員が向いていない人
- 介護の仕事が根本的に好きではない。
- ちょっとでも楽をしたいと思う人。
- 責任感の無い人。
- あまりにもストレスを感じやすい人。(正社員だとしんどいかも)
介護職のパートってこんな感じ
パートで働く場合はまず「扶養内」「扶養外」を選択します。扶養の範囲内の時間で働く人もそうでない人も「時間給」+「資格手当」がお給料です。施設によって賞与がある所もあります。シフト勤務のところや、曜日・時間を固定した働き方があります。
仕事内容は施設によってもちろん異なりますが、基本的には正社員とそれ程違いはありません。ただ、パートは会議に出なくていい施設や薬に関することは正社員のみがする施設、判断しなければいけないことなど責任が大きいことは正社員が行うイメージです。
フルタイムのパートで働いていた時は正社員並みの仕事時間にもかかわらず賞与がない、というのが辛かったな・・・。パートでも賞与のあるところが羨ましいな・・
収入は低いけど資格なしでのスタートはパートがいい
介護のパートの時給はそれほど高くはなく、最低賃金の場合もあります。施設にもよりますが決してパートだから仕事が楽という事ではありません。専門学校で介護福祉士を取得された方は正社員からのスタートがいいと思いますが、資格なしの未経験で介護の仕事を始められる方はまずはパートでスタートすることがおすすめです。”介護の仕事は誰でも出来る”と思って始める方も多いようですが、実際にやってみると覚える事も多く、自分が思っていた介護のイメージと違うということも多いからです。
施設によっては忙しすぎて満足に指導する時間がないところもあり、そういう施設に入ってしまうと「自分で見て覚えて!」と言われたり、それなのに「自分で判断しないでちゃんと聞いて!」なんて言われてしまうことも・・・初めからいきなりフルタイムのパートや正社員(採用期間はある)で務めたりすると「辞めたい」「想像と違う」と挫折しかねません。
初めは慣れるまでに時間が掛かるので無理のない程度でスタートすることがおすすめです。可能なら2か所を掛け持ちして最終的には自分が合う方に落ち着く、という選び方でもいいかもしれません。
経験を積んできたら働き方を変更しよう
1年程度パートとして働けばもう未経験とは言われません。仕事も覚え、このまま介護職を続けていけそうとだと思ったら働き方をもう一度考えてみましょう。正職員として働くか介護派遣として働くか、もちろん、パートで居心地がよければそのままでも、違う種類の介護施設で経験を積むのもありです。
介護の仕事を続けるのならパートでも介護福祉士の資格取得を視野に入れておきましょう。
介護職のパート、向いてる?向いてない?
介護職でパートという働き方に向いている人、向いていない人をまとめてみました。
介護職のパートが向いている人
- 旦那さんの扶養内で働きたい人。
- 介護職が未経験で1から教えてもらいたい人。
- ダブルワークをしたい人。
介護職のパートが向いていない人
- 安定した収入が欲しい人。
- 将来的にキャリアアップを目指したい人。
介護職の派遣ってこんな感じ
介護派遣は、派遣会社の社員として派遣先の介護施設に働きに行きます。お給料は時間給で資格を持っている方が高くなります。「正社員」と「パート」は施設に雇用されていますが、介護派遣の雇用元は派遣会社なのでお給料は派遣会社からいただきます。
パートよりも介護派遣の方が時給が高く、働くモチベーション維持にもなります。
私は現在までに派遣で3つの施設を経験しました。現在も介護派遣として働いています!
未経験で派遣はちょっとキツイかも
派遣先の施設側から介護派遣に求められるのは「即戦力」です。もちろん未経験で介護派遣として働く方もいます。しかし、未経験だと施設の正社員やパートの介護士が介護の基本から教えなくてはなりません。施設の介護士が足らないから介護派遣に頼る、という状態なのにパートが自分よりも高時給の介護派遣に仕事を教えるのは気持ち的にもちょっと厳しいですよね。
もちろん、新しい派遣先に行く毎にその施設でのやり方は教えてもらいます。入浴介助、食事介助、移乗の仕方、シーツ交換など基本的な事が身についていれば介護派遣でやっていけます。
転職歴が少ないのに経験豊富な介護士になれるのは強み!
介護職はとても転職率の高い職業です。離職理由は「人間関係が悪い」や「ブラック施設だった」というネガティブなものから、「もっと経験を積みたい」というポジティブなものなど様々ですが、採用する立場からすればひとつの施設に長く務める人の方が好印象ですよね。実際に派遣会社の担当さんに「こーこさんはひとつの事業所に長く務めて退職され、あとは派遣で違う施設も経験してるからとても扱いやすい」と言っていただきました。
介護職は過去に転職回数が多くてもよっぽどな理由でなければ採用される傾向があると思います。実際に私の周りでも5~6回転職している人もいます。ただ転職回数が多いと見るか、経験が豊富と見るかは採用担当しかわかりません・・。介護派遣は2~3カ月毎に派遣先の施設と本人に続けるかどうかの確認があります。もしも、違う施設で経験したいと思ったら継続せずに違う施設を紹介していただくことになるので履歴書に「退職」と書く必要はありません。
ただ、あまりにも短期間でコロコロと派遣先を変えるのもよくありません。
介護職の経験があるけど、人間関係がめんどくさいのは嫌な方におすすめ
介護職の経験がある方は施設の人間関係に疲れた、という方も少なくはありません。働きやすい介護施設かどうかは実際に働いてみないとわかりません。介護派遣は先ほど説明した通り2~3カ月毎に更新するかどうかの確認があります。2~3カ月も働けば仕事内容はもちろん人間関係などもある程度把握できるので派遣会社の担当さんに相談すればOKです。
そもそも、介護派遣は施設に直接雇用されている正社員やパートとは異なり、「いつ辞めるかわからない」と思われている部分もあります。もちろん、仲良くして下さるパートの方や「長く続けてね」と正社員の方に言っていただく事は嬉しいですが、やはり直接雇用されていないので距離感は感じます。
正社員で働いていた施設では「介護派遣さんに残業はさせない!」という決まりがありました。双方が気に入ったら直接雇用してもらえる紹介予定派遣というのもあるので、気に入ったら正社員になるのもいいですね。
介護派遣が向いている人、向いていない人
介護職で派遣という働き方が向いている人、向いていない人をまとめてみました。
介護派遣が向ている人
- 色々な施設で経験を積みたい人。今までの経験を活かしたい人。
- 自分の時間も大事にしたい人。
- 柔軟な考え方ができる人。
- 介護の仕事は好きだけど施設の人間関係のいざこざに巻き込まれたくない人。
- ダブルワークがしたい人。
- 残業をしたくない、決まった時間で働きたい人。
介護派遣が向いていない人
- 経験豊富が故に自分のやり方を変えられない人。
- 入居者さんとじっくり関わりたい人。
- 会議などに出て自分の意見を発言したい人。
まとめ
介護職での正社員、パート、介護派遣についてお話しました。どれが一番よかったか?と聞かれれば、「その時はその働き方がベストだった」と答えます。私は「パート」→「正社員」→「派遣社員」という流れでしたが、年齢やライフスタイルによってその人に合う働き方は違ってきます。それぞれのメリット・デメリットを把握して自分らしくいられる働き方を見つけましょう。
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